体臭予防：年齢と“口臭予防”

年をとると誰でも自然に“体臭”が強くなってきます。
特に、寝たきりになってしまい誰かの手を借りなくてはスムーズに生活が送れない人にとっては、自分の“体臭”が周囲に迷惑をかけていないかとても気になり、時には深く傷ついていることもあるのです。
もちろん介護する側にとっても、においをどう処理するかというのは、毎日の介護生活の中でずっとついてまわる問題となり悩みの種ともなっているでしょう。

自分で体がうまく動かせないお年寄り本人にかわって、介護する人が上手にケアしてあげることで、不快なにおいはかなり軽減できます。
例えば“口臭”。
年をとると唾液の分泌量が減ってくるため、食べ物のカスが流れにくくなったり、“舌苔（ぜったい）”がたくさんつくようになります。
また、入れ歯はきちんと手入れをしないとにおいの元になります。

歯みがきがうまくできない寝たきりの方の場合でも、食後は口の中の食べカスを取り除く必要があります。
そのような場合は、介護者の指にガーゼを巻きつけたもので、口の中を拭うとよいでしょう。
口の中が出血している場合もありますので、血液感染を避けるためにも口の中を“素手”で拭くのはやめましょう。
“舌苔（ぜったい）”については、専用のブラシなどが市販されています。
それを使ってもよいですし、スプーンのふちでそっと拭ったり、食べ物カスを拭き取る際にガーゼで一緒に拭っても効果はあります。
ごしごしと力強くこすり取る必要はありません。
また、たくさんおしゃべりをしたり、歌を歌って口を動かすことでも唾液の分泌は促されます。
口がにおうからといつも口を閉じていては、“口臭予防”には逆効果となってしまうのです。